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ケータイ・インターネットの歩き方1「入門編」~保護者向け解説版~

  1. 1. インターネットとは
  2. 2. 情報発信者として知っておきたいこと
  3. 3. スマホやケータイ利用のためのルール作りを
  4. 4. サービスを利用する前に確認・理解すべきこと
  5. 5. 不安を感じたら、信頼できる身近な大人や相談窓口に
  6. 6. 最後に

1. インターネットとは

みなさんの中に、スマートフォン(以下「スマホ」)やケータイからアクセスするインターネットとパソコンからアクセスするインターネットとは“違うもの”だと思っている方はいらっしゃいませんか?操作方法やデザインの見え方などが違うので無理もありませんが、実際には同じインターネット上にある情報を「スマホやケータイの小さな画面」から覗いているか、「パソコンの大きな画面」で見ているかが違うだけで、全く同じインターネットです。スマホやケータイでのインターネットを理解するためには、まず、スマホやケータイが単なる電話機の領域を超えて“完全なインターネット端末”として利用されているという点に注目する必要があります。

通話以外にもさまざまな使い道をもつスマホやケータイという機器は、すでに子供たちを含む多くの利用者に浸透しており、メールもネットもでき、カメラや音楽プレイヤー、ワンセグなどの機能も兼ね備えたハンディーサイズの便利な道具となっています。

ですから、「子供たちにスマホやケータイを持たせること」=「子供たち一人ひとりに専用のインターネット端末を持たせること」になります。いつでもどこでも気軽にアクセスできるインターネットはとても便利ですが、個々の手の中で操作できてしまうだけに、パソコンと共通するインターネット利用の注意点に加え、スマホやケータイ特有の問題に対しても注意を払わなくてはなりません。

特にスマホは高度な機能を持っており、小さなパソコンと考えた方がよいでしょう。Wi-Fiなど携帯電話の回線以外にも無線LANで接続ができ、インターネット上のさまざまなサービスや音楽や動画などの利用が簡単に行えます。また、アプリケーション(以下「アプリ」)をインストールすることで、さらにできることが増え、使い勝手も向上します。しかし、高性能・高機能になった反面、従来のケータイ以上に危険も増えています。販売店の店頭もスマホばかりだし、子供も欲しがるし‥‥と安易に考えず、スマホの問題点を熟知しておく必要があります。(詳しくは、ケータイ・インターネットの歩き方1 「入門編」別添「スマートフォン編」保護者向け解説版をご覧ください。)

子供にケータイやスマホを持たせていなくても、フィルタリングが有効ではないゲーム機などの機器からも、インターネットは普通に利用できます。地デジのテレビ、携帯型音楽プレイヤーの他、家電からもインターネット接続が可能となり、教科書のデジタル化も検討されているという時代の流れを考えると、身近にいる大人としてインターネット全体の進化や本質への理解も深めたいところです。

現代の子供たちは、めまぐるしく変化する情報化社会の真っただ中に生きており、将来、その社会の中で情報を活用しながら仕事をしていくことになります。私たち大人は、彼らの未来を考え「何が今、必要なのか」を想像しながら導いてあげなければなりません。

インターネットで世界に広がる可能性

日本のケータイがパソコンと同じインターネット環境に接続できるようになったのはiモードサービスが始まった1999年からで日本は世界でもスマホやケータイ文化が進んでいる国のひとつです。

スマホやケータイでのインターネット利用に関するトラブルや問題が後を絶たないのは、インターネット端末として利用するという現状があるにもかかわらず、「いつでも連絡が取れるから」といった理由でスマホやケータイを子供たちに持たせる家庭が多いからなのです。

いい人も悪い人も、みんなが見ているインターネット

スマホやケータイによる情報発信の対象は世界中となります。自分のアカウントを持ったとしら、そこへのアクセスは世界中から可能です。言い換えれば、スマホやケータイ1つで世界とつながることができるということになります。このことで私たちは、インターネットのなかった時代には考えられないような大きな可能性と、今まで起こるはずもなかった新たな危険性を同時に得ることとなりました。

例えばemail。パソコンでもスマホやケータイでも送受信でき、文字数の制限もなく様々な情報を送ることができます。emailに書かれたURLをクリックすればそのままインターネットネットにつながり、例えば迷惑メールだと気づかずに記載されているURLをクリックしてしまうと、出会い系サイトや詐欺サイト、個人情報を抜き取るフィッシングサイトなどへ簡単に誘導されてしまいます。お子さんのスマホやケータイはこういった環境にあるということをイメージしてみてください。ちょっぴり怖くなりませんか?

一方で、世界中の人とコミュニケーションが取れ、多くの人に自分の考えや作品を発表できる場を得たことで、子供たちの可能性は飛躍的に大きくなりました。

年齢・性別・国籍という隔たりのない様々な人たちとの有効なコミュニケーションは、子供たちの将来に役立つ広い視野や情報を提供してくれるでしょう。でも、意図せぬ悪い人たちからのアクセスも可能にしてしまいます。そういった「メリット」と「リスク」の両方をよく理解した上で、子供たちへの教育や、フィルタリングの選択など、インターネットの利用環境を整えてあげる必要が保護者にはあります。

2009年4月1日から「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット環境整備法)」が施行されています。携帯電話やスマートフォンに関する項目として、保護者には「フィルタリングを成長に合わせて選択するなど、18歳未満の子供が適切にインターネットを利用できる環境づくりへの責務」や「18歳未満の子供が利用する携帯電話やPHSを購入する場合は事業者に申し出る義務」が課せられています。また、事業者には「フィルタリングを提供すること」、サービス提供者には「違法情報の閲覧防止の努力義務」などが課せられています。

便利で楽しいけれど危険もたくさん!

カメラ、ワンセグ、音楽プレイヤーのほか、使い切れないほどたくさんの機能があるスマホやケータイは、小さいながらも高性能で大変便利です。マンガや小説も読めるし、動画もみることができ、音楽も楽しめます。

でも、大切な個人情報を瞬時に世界中にばらまいてしまう危険性もあります。子供たちは、友だち宛のメールに写真を添付するような感覚でWebサイトに写真を掲載する傾向があります。SNSの中には可愛い写真がたくさんあり、その写真とともに名前や「今どこで何をしているか」が書かれていることもあるため、本人を捜し当てることも、実際に会いに行くこともできてしまいます。

「自分が誰であるか」「何処にいるのか」といった情報を掲載してしまうと、その情報を目にした悪意を持つ人たちに危険な目にあわされる可能性が生じます。また、電話番号やメールアドレスを教えてしまえば、直接コンタクトが取れるようになり、保護者の知らないところでコミュニケーションが発生し、助けてあげられない深刻な状態へと発展してしまうかもしれないということを、子供も保護者も今一度きちんと意識しなければなりません。スマホやケータイを持たせるのであれば、家庭で、学校で、こういったさまざまなことが話し合える環境をつくり、子供と向き合っていっしょに考えていくことが非常に大切になってくるのです。

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2. 情報発信者として知っておきたいこと

スマホやケータイを電話と捉えている子供はあまりいません。子供たちにとってのスマホやケータイは、電話もできる「情報端末」であって、メッセージやアプリ等の利用が中心です。

電話やメールという1対1のパーソナルなやりとりの感覚の延長で、つい、閉じられた環境だと錯覚してしまいがちですが、スマホやケータイはインターネットに接続した途端、開かれた公の環境となること、情報を広く発信するメディアとなることを忘れてはいけません。スマホやケータイでSNSなどに何かを書きこめば、新聞や雑誌に投稿したり、テレビでしゃべったりするのと同じように、誰にでも見られる可能性があるのです。そのため、情報発信をする場合は、公序良俗に反しないように配慮できる力が不可欠となってきます。

コメントを書いただけでも、情報発信になる?

SNSへのコメントのように、インターネット上には自由にコメントが書き込めるWebサイトやアプリがたくさんあります。ですから、SNSなどに登録をしていない子でも、誰もが情報発信者になれるのです。

友だちのアカウントページにコメントを書き込むことも、大好きなアイドルやキャラクターのファンサイトに「自分も○○が大好き☆」とコメントすることも、全て情報発信です。たとえ、パスワードを入力しなければ参加できないような“限られた人しか読めないWebサイトやアプリ”での書き込みであっても、知らない人が読んでいる可能性がないとは言い切れません。Webサイトやアプリ内に書き込まれた情報をコピーされ、外部に公開される可能性もあります。スマホやケータイからの発信は全て公開されるものと考えても、決して大げさではないのです。

インターネット上では誰もが情報発信者になりうるのだということを、まずは保護者のみなさんがしっかりと認識してください。そして、そのことをちゃんと理解できるように子供たちに伝えてあげましょう。

自分で発信した情報の責任は自分にある

インターネットを利用するかしないかは個人の自由ですが、利用の責任は利用者本人にあります。すべては自己責任ということです。青少年(18歳未満)の場合は、利用者に十分な判断能力があるとは言えず、保護者が判断しなければなりません。スマホやケータイの購入時、保護者の同意が必要なのもそのためです。

テレビ、新聞、雑誌などのマスメディアは、プロの人たちが仕事として責任とモラルを持って情報を発信していますが、インターネットは誰もが気軽に情報発信できます。ところが、インターネットも代表的なメディアの1つとなった今、個人がインターネットで情報発言する際にも同じような責任が求められるようになりました。情報発信者に、良識や知識、状況判断が必要になってきているのはそのためです。

インターネット上に公開されているWebサイトはいずれも多くの人の目にさらされていて、それは何の特徴もない単なる個人のホームページであっても変わりません。検索サイトで学校名・名前・愛称・生年月日などで検索を行えば、SNSのアカウントややブログを比較的簡単に見つけることもできますし、いくつかの検索ワードにたまたまヒットするページであれば、普段なら埋もれてしまうような個人のSNSのアカウントであっても、見ず知らずの大勢の人が読みにくる可能性が生じます。ですから、インターネット上での「独り言」や「内緒話」は成立しないだけではなく、「勝手な妄想」や「作り話」が伝言ゲームのように尾ひれがついて広まってしまい、取り返しのつかないことになってしまうこともありうるのです。

保護者はこういったことを考慮し、誰でもインターネット上で閲覧可能な文章が書けること、メディアとしてのインターネットの特性を理解できていること、この2条件が整って初めてインターネット上で情報発言できるのだということを子供たちに教えてあげてください。そして、子供たちそれぞれの能力に合わせて、フィルタリングのレベルとインターネット利用の範囲を考えてあげましょう。

一度公開した情報を「なかったこと」にはできません

インターネットに写真を掲載するのも書き込みをするのも、スマホやケータイを使えば簡単にできますが、インターネット上の情報をコピーすることも簡単にできてしまうということを忘れてはいけません。

写真を含む個人情報は、興味を持つ人たちにコピーされればあっという間に広まります。たくさんのWebサイトに掲載されてしまうようになったら、コピーがコピーを呼び、削除依頼をしても全く追いつきません。中にはコピーした顔写真を利用し、その子になりすます人もいて、それが不適切に使われてしまうようなことも起きています。

現在のスマホやケータイは、写真や動画も簡単に撮影できます。それらを簡単にWebサイトに掲載することもできます。インターネット上に公開されたものは、簡単にコピーでき、簡単に転載することもできます。また、コピーした情報はメールやメッセンジャーで転送することも簡単にできてしまいます。こう考えれば、大切な個人情報を安易に掲載することがどれだけ危険なことかよく分かるはずです。インターネットは一度流れた情報は取り戻せないということを十分理解した上で気をつけて利用しているかどうか、子供たちとよく話し合いましょう。

被害者だけではなく加害者にもしない

保護者のみなさんは、子供たちがインターネットでトラブルに巻き込まれたり、危ない目にあったりしないよう、いろいろと注意をされていると思います。でも、わが子が加害者側になる可能性もあるということはあまり考えないのではないでしょうか。しかし、子供たちが実際に検挙されたりする例は後をたちません。

SNSに犯行予告を書き込んで補導・書類送検されたり、掲示板などで見かけたIDとパスワードを使って他人のアカウントを乗っ取ったり、数年経って忘れた頃に不正アクセスで捜査対象となり、保護者だけではなく本人もびっくり!といった事例もあります。犯罪予告や不正アクセスのような大ごとではなくても、個人を特定できる情報と共に安易に悪口を書いて訴えられるというケースも多々ありますから、インターネット上で情報発信をする誰もが加害者となる可能性を秘めていると考えて、気をつけさせなければなりません。

インターネット上の書き込みは、それぞれのサービス事業者の元に記録されています。子供たちはそういった事実を知らないまま使っているため、匿名であれば誰が書き込んだか分からないはずと考えてしまいます。でも、きちんとした調査が必要な場合、通信の特性上、アクセスした人や機器はほぼ特定できます。とくにスマホやケータイは人と機器がペアになっていますから、より特定しやすいのです。子供たちの行動は、この事実を伝えるだけでも変わるはず。保護者として子供を被害から守ることは当然ですが、同時に加害者・犯罪者にならないための知識や情報を与えてあげることも、重要な役割だと考えていきましょう。子供だからといって、「いたずらでした、ごめんなさい」では済まされないのですから。

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3. スマホやケータイ利用のためのルール作りを

さまざまな具体例を通して、スマホやケータイによるインターネット利用の「メリット」と「リスク」を理解していただけたでしょうか?それでは家庭での取り組みの基本「ルールづくり」についてです。

子供たちにスマホやケータイを持たせるのであれば、購入の前に「何のためにスマホやケータイを利用するのか」をじっくり話し合い、「そのためにどのようなルールが必要か」を考え、ルールを守りながら使うという約束をさせることがとても大切です。

その際、口約束で終わらせず、子供たちといっしょに考えて“宣言”として書いてもらうのが有効です。スマホやケータイを手に入れるまでは一生懸命な子供たちも、手にいれてしまえば夢中になって約束は忘れられがち。リビングや部屋に“宣言”を貼っておけば、常に目に付くので気に留めざるをえず、「うっかり忘れていた」ということもなくなるでしょう。

また、子供たちに「ルールを守って使う」という習慣をつけてもらいたいのですから、実際の使い方に合わない内容では意味がありません。成長や生活スタイル合わせて、ちゃんと見直してあげるよう心がけましょう。見直しの際には話し合いが不可欠ですから、子供たちの使い方を知る良い機会にもなります。

なお、学齢が上がるにつれて見直しの必要度が増してくる「フィルタリング」の設定についてですが、フィルタリングはONとOFFの二者択一ではありません。フィルタリングをどう選ぶか、いつどのようにしてフィルタリングのレベルを変えていくかは、保護者の判断こそが鍵となります。子供に「外してほしい」と言われたらいきなりフィルタリングを外すのではなく、使い方や「そこにアクセスできないと何にどう困るのか」をちゃんと聞き、必要に応じフィルタリングのカスタマイズ機能を利用するなど、親身になって考えてあげましょう。細かい設定方法ついては各社のサービス内容を調べ、分からないときにはケータイショップやサポートセンターなどで確認してください。

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4. サービスを利用する前に確認・理解すべきこと

私たちがインターネットで利用するさまざまなサービスには、サービスを受ける前に承認すべきものとして規定されているルールである「利用規約」が必ずあることはご存知のとおりですが、みなさんはきちんと読まれていますか?

Webサイトやアプリを利用する前に利用規約の同意が求められることがありますが、きちんと読む子はとても少なく、内容の確認もせず無意識に「同意します」にチェックをして進めてしまいがちです。ところが個人情報を扱う関係上、保護者の同意を必要とするケースなどもあり、保護者が同意したことになってしまっていると大変です。特にスマホにおいては、アプリがスマホ内の情報を取得するようなケースもあり、プライバシーポリシーに記載されている内容を確認することも大切です。子供たちには、利用規約やプライバシーポリシーにきちんと目を通すこと、保護者の同意が必要なら必ず相談することを約束させてください。

また、利用規約などがちゃんとしているかどうかは、サービスや運営体制の良し悪しにも通じるので、多少面倒でも保護者として、子供がよく利用するWebサイトやアプリの利用規約や禁止事項、プライバシーポリシーなどを確認されると安心です。有料サービスがある場合は、料金体系や上限金額などもチェックされるといいでしょう。子供が無料だと勘違いしていて利用金額がかさんでしまった‥‥というようなこともなくなります。

各サービスの中で守らなければならないこと

どんな利用規約でも法律に触れることはすべて禁止ですが、インターネット上のサービスが多種多様なように利用規約もまちまちです。削除やユーザー対応といった一般的なルールも微妙に違っていますから、それぞれのサービスの利用規約やガイドラインをしっかり読んでよく理解することは、インターネット利用の基本です。違反が度重なると利用できなくなる場合もありますから、ルールや注意事項を守りながら正しい利用を心がけさせましょう。

スマホの普及にともない注意が必要なこと

スマホは、多くのサービスをアプリにより利用します。アプリの中には、スマホ内に格納されている情報を取得するものもありますが、中にはアプリを通じて利用者情報を抜き取られ、迷惑メールや詐欺メールのようなものが送られてくるケースもあります。「プライバシーポリシー」には、アプリが取得する情報や、取得した情報の取扱いなどが記載されていますので、必ずチェックして内容を確認してください。

絶対にしてはいけないこと

インターネットでも現実社会でもしてはいけないことは基本的にいっしょです。インターネット上だから許されるということはありません。また、インターネット上にうっかり誹謗中傷や他人の迷惑になる発言を書き込みをしてしまうと、そのままの状態で残ることが多く、おしゃべりのように時間とともに消えてしまうことはないので、とくに注意が必要です。

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5. 不安を感じたら、信頼できる身近な大人や相談窓口に

判断に困ったり、危険や不安を感じたりしたときは、すぐに大人に相談するように、子供たちと約束しましょう。これは、人生経験が少なく、大人ほどの判断力も備わっていない子供たちの、誤った判断による大怪我を防ぐためです。

信頼して相談してくれるのは嬉しいけれど、インターネットやスマホ、ケータイに関しては子供の方がよく知っているし、相談されても用語が分からなかったり、どんなことが起きているのか理解できなかったりするのではないかと、心配される方もいらっしゃるでしょう。でも、彼らより多くのことを経験し、さまざまなことを判断してきた大人だからこそできることは、意外とたくさんあるものです。

相談されたときにはあわてず怒らず(ココがポイント!)話を聞き、実際のメールやメッセージ、書き込みなどが残っているのであれば落ち着いてじっくり読み、現実で困ったことが起きた時と同じように考えて判断してください。例えば、単なる迷惑メールであれば無視することを教え、削除させましょう。緊急を要さない場合は、インターネット上の問題に対しての専用窓口もありますので、お子様と一緒に相談窓口を探し、相談してみることをお薦めします。相談するまでもなく、インターネットで検索すると対応方法などが掲載されている場合もありますから、まずは検索してみるといいかもしれません。

万が一、悪質な詐欺メールなどであれば消費者センター(国民生活センターなど)へ、身体や財産に危害が加えられる可能性がある場合は警察へ、電話で直接連絡をして相談することも可能です。スマホやケータイ、インターネットのことが分からなくても、大人ならこういったことへの冷静な判断は可能なはずです。

相談窓口だけではなく、通報窓口もいろいろあります。違法・有害情報を見つけた際に、URLなどの情報提供をすると、内容に応じて削除要請やフィルタリングへの反映といった対応をしてくれるので、子供たちの目に違法・有害情報を触れさせない環境づくりに役立ちます。

本来なら削除されるべき、あるいはフィルタリングでアクセスが制限されるべき内容であっても、発見されてしかるべき対応がとられるまでは子供たちの目に触れる可能性があります。残念ながら、フィルタリングの網の目をかいくぐるWebサイトやアプリをあえて作る悪質な人たちもいます。ですから、どんなに技術が発達しても、フィルタリングだけで全てのトラブルを防ぐことはできません。また、いつまでもフィルタリングに頼っていては、社会に出たときに大怪我や大失敗をしてしまいます。安全で有効な活用ができる大人になるためにも、子供たちが違法・有害情報に気づく力(判断力)、自ら近づかない力(自制力)、目に触れたときに正しく対処できる力(対応力)、そういった「インターネット・リテラシー」を徐々に育てていってあげることがとても重要なのです。

今、スマホやケータイを利用する子供たちに最も必要なのは、気軽に話し合え、なんでも相談できる家庭でのコミュニケーション環境です。できるところから少しずつでもいいので、ぜひとも実践してみてください。

6. 最後に

インターネットの普及は今までにない可能性を子供たちにもたらしました。そして、スマホやケータイの登場によって、インターネットがいつでもどこでも利用できるようになり、利便性はさらに向上しました。そのことによって、子供たちが救われた事例もたくさんあります。それは、インターネットがもともと人と人をつなぐコミュニケーションの道具であり、気持ちや情報を伝える手段だからです。

今の子供たちは、利用環境さえ整えば、コミュニケーションや表現の手段としてインターネットを上手に活用しながら成長できる力を持っています。よりよい方向に利活用していくためには、子供たち自身にインターネットの使用により生じる「リスク」の部分も理解してもらい、対処方法を知ってもらわなければなりません。また大人は、子供たちの安全な利用をサポートしてあげられる知識を身につける必要があります。

子供たちは私たちのさらに先を生きていきます。子供たちが自ら生きていく力をつけ、新しい世界を作っていけるようにサポートすることが、私たち大人の本当の役割なのだと考え、みんなでいっしょに取り組んでいきましょう。

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